ブラックジャックのサレンダーとは？期待値とカジノルールによる特徴を徹底解説

ブラックジャックでは、数は少ないものの「サレンダー」というオプションルールを採用しているカジノやテーブルもあります。

では、サレンダーを選択することにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。また、この選択が収支にどの程度影響を与えるのかについても気になるところです。

この記事では、サレンダーの基本的なルールから、その効果と収支への影響について詳しく解説していきます。

ブラックジャックのサレンダーとは？

ブラックジャックにおける「サレンダー（Surrender）」は、降伏や放棄を意味するアクションで、その名の通り、プレイヤーが負けを認める選択です。

サレンダーを選択すると、その時点でプレイヤーの負けが確定します。

その後ディーラーのハンドがどうなろうと結果は変わらず、プレイヤーの負けが確定したままです。

ただし、サレンダーを選ぶことで賭け金のすべてを失うのではなく、賭け金の半額のみが没収され、残り半額はプレイヤーに返金されるのが特徴です。

これはリスクを最小限に抑えるための戦略的なアクションとして、特に不利な状況で有効です。

ブラックジャックの主なアクション

ブラックジャックでは、プレイヤーがゲーム中に状況に応じていくつかのアクションを選択できます。それぞれのアクションには、異なる戦略や目的があります。

以下に主なアクションを紹介します。

ブラックジャックの主なアクション	内容
ヒット	現在の手札にさらにカードを1枚引くアクションです。
スタンド	これ以上カードを引かずに現在の手札で勝負するアクションです。
ダブルダウン	賭け金を2倍にして、追加で1枚だけカードを引くアクションです。
スプリット	プレイヤーの最初の2枚のカードが同じ数字の場合に、それを2つに分けて独立した2つのハンドとしてプレイするアクションです。賭け金もそれぞれのハンドに対して賭け直します。
インシュランス	ディーラーのアップカードがエースである場合に、ディーラーがブラックジャックを持っている可能性に対して保険をかけるアクションです。インシュランスに賭ける場合、通常の賭け金の半額を追加で賭けることになります。

ブラックジャックのサレンダーを行う方法

ブラックジャックのサレンダーを行うタイミングは、プレイヤーに2枚のカードが配られた直後、ヒットやスタンドを選択する前です。

次に、ランドカジノ・オンラインカジノ別で宣言のやり方を解説していきます。

オンラインカジノの場合

オンラインカジノでは、サレンダーが可能なテーブルにおいて、サレンダーの選択ができるアイコンが表示されます。

サレンダーを宣言したい場合は、このサレンダーアイコンをタップするだけで手続きが完了します。

ランドカジノの場合

ランドカジノでブラックジャックのサレンダーを行う方法はやや複雑です。

ランドカジノでは、サレンダーの宣言は口頭で「サレンダー」と伝えるか、ハンドシグナルで行います。

ハンドシグナルの場合、右手を軽く握り、人差し指を伸ばした状態で、テーブルの上を左から右へスライドさせます。

この動作がサレンダーのシグナルとなり、ディーラーに負けを認める意思を伝えることができます。

サレンダーとインシュランスとの違い

ブラックジャックのインシュランスは、ディーラーのアップカードがエースの際に、ディーラーがナチュラル・ブラックジャックを持っている可能性に対して掛ける「保険」です。

このオプションはディーラーのアップカードがエースである場合のみ選択可能です。

インシュランスに失敗した場合でも、ゲームはそのまま継続され、既存の賭けに対して勝敗が決まります。

一方で、サレンダーはプレイヤーが自ら負けを認めてゲームを降りるアクションです。

サレンダーは状況に関係なく選択が可能で、宣言した時点でプレイヤーはゲームから離脱します。

その際、賭け金の半額が没収され、残りの半額はプレイヤーに返金されます。

このように、インシュランスとサレンダーはそれぞれ異なる目的で使用され、ゲームの継続可否が大きな違いとなります。

以下の表では、インシュランスとサレンダーとの違いを分かりやすくまとめています。

アクション	掛け金	ゲーム続行	収支
サレンダー	半額返金	しない	賭け金の半額を失う
インシュランス	半額追加	する	損失挽回の可能性あり

サレンダーのルールに関する注意点

サレンダーはブラックジャックにおけるオプションルールの一つであり、その採用有無はカジノによって異なります。

そのため、ブラックジャックをプレイする前に、そのカジノがサレンダーを採用しているかどうかを確認することが重要です。

また、サレンダーにはレイトサレンダーとアーリーサレンダーの2種類が存在します。

どちらのサレンダーが採用されているかを確認することも必要です。特にアーリーサレンダーはプレイヤーに有利なルールなので、採用されている場合は見逃さないようにしましょう。

レイトサレンダー

多くのカジノで採用されているのがレイトサレンダーです。

このルールでは、ディーラーが各プレイヤーにカードを配り終えた後、自分のハンドがナチュラル・ブラックジャックかどうかを確認します。

その確認後に、プレイヤーはサレンダーを選択することが可能です。

ただし、ディーラーがナチュラル・ブラックジャックの場合は、その時点でディーラーの勝利が確定するため、サレンダーを選択することができません。

アーリーサレンダー

アーリーサレンダーは、ディーラーがナチュラル・ブラックジャックかどうかを確認する前に、プレイヤーがサレンダーを選択できるルールです。

このため、ディーラーのアップカードがエースのようにナチュラル・ブラックジャックの可能性が高い場面でも、プレイヤーはサレンダーを利用することで損失を半額に抑えることができます。

アーリーサレンダーはプレイヤーにとって非常に有利なルールであるため、採用しているカジノは少ないと言われています。

その分、アーリーサレンダーをうまく活用できれば、ディーラーのブラックジャックによる損失を大幅に軽減することが可能です。

このように、サレンダーの採用状況や種類を事前に確認することで、ブラックジャックのプレイをより有利に進めることができます。

ブラックジャックではいつサレンダーを使うの？

ブラックジャックの基本戦略であるベーシックストラテジーには、サレンダーを選択するべきタイミングが明確に示されています。

サレンダーは、プレイヤーが高確率で負けると予想できる状況で使用するのが理想です。そのため、使うべきタイミングは限られており、特にソフトハンド（プレイヤーの手札にエースがある）でない場合に次の4つのタイミングに絞ることができます。

サレンダーを使うべき4つのタイミング

1. プレイヤーのハンドが「15」で、ディーラーのアップカードが「10」の場合
2. プレイヤーのハンドが「16」で、ディーラーのアップカードが「9」の場合
3. プレイヤーのハンドが「16」で、ディーラーのアップカードが「10」の場合
4. プレイヤーのハンドが「16」で、ディーラーのアップカードが「A」の場合

これらの4つの状況でサレンダーを選択することが効果的とされています。

サレンダーを使うべきタイミングが意外に少ないと感じるかもしれませんが、これは逆に言えば、それ以外の状況では勝つ可能性が十分にあると判断できることを意味します。

そのため、ベーシックストラテジーを参考にしながら、サレンダーの適切な使いどころを見極めることが、ブラックジャックでの戦略的なプレイに繋がります。

ブラックジャックにおけるサレンダーの期待値

ここでは、サレンダーが行えない場合と行える場合で、期待値にどれほどの差が生じるのかについて解説します。

まず、期待値とは、賭けに対してどれだけのリターンが見込めるかを示す数値です。

期待値が高くなるほど、賭け金に対して戻ってくる金額の見込みが増えることを意味します。

サレンダーを含んだ期待値のまとめ

サレンダーの種類	期待値の変化	備考
サレンダー不可	±0	基準となる期待値
レイトサレンダー	+0.02%	プレイヤー有利
アーリーサレンダー	+0.62%	プレイヤーに大きく有利

サレンダーが行えない場合の期待値を基準として0とします。

一般的にカジノで採用されているレイトサレンダーが利用できる場合、期待値は0.02％向上します。

この増加は微々たるものですが、確実にプレイヤーにとって有利に働きます。

一方、アーリーサレンダーが利用できる場合は、期待値が0.62％も向上します。

これも一見すると小さな差ですが、明らかにプレイヤーにとって有利であり、リスクを減らす効果が大きいことがわかります。

このような小さな期待値の差でも、何ゲームも続けてプレイすれば大きな影響を及ぼすことになります。

そのため、少しの期待値向上でも大切に考慮し、戦略的に利用することが重要です。

ブラックジャックの期待値・勝率を上げる方法

ブラックジャックは、戦略と意思決定がゲーム結果に大きく影響を与えるゲームです。適切な方法を用いれば、カジノ側の優位性を減らし、プレイヤーにとって有利な状況を作り出すことが可能です。ここでは期待値と勝率を上げるためのいくつかの有効な戦略を解説します。

ベーシックストラテジーを活用する

ベーシックストラテジーとは、プレイヤーの手札とディーラーのアップカードに基づいて、最も合理的な行動を示す一連のルールです。

これを使うことで、カジノ側のハウスエッジを最小限に抑えることができます。

ヒットやスタンドの判断をベーシックストラテジーに従って行うことで、期待値を上げることができます。

戦略表（チャート）は簡単に手に入るため、初心者から上級者まで利用できます。

カードカウンティングを利用する

カードカウンティングは、プレイされるカードを追跡して、デッキに残っているカードの構成を推測する方法です。

これにより、次のカードがプレイヤーに有利かどうかを判断し、賭け金を増減させる戦略です。

高いカード（10やエース）が多いほどブラックジャックが出る確率が高まるため、有利なタイミングで賭け金を増やすことができます。
カードカウンティングは上級者向けのテクニックであり、カジノでは使用が禁止されている場合もあるため注意が必要です。

サレンダーを活用する

サレンダーは、特定の状況で賭け金の半額を放棄して勝負を降りるオプションです。

サレンダーを適切に利用することで、期待値を下げるリスクを軽減できます。

レイトサレンダー（ディーラーのナチュラル・ブラックジャック確認後に選択可能）を活用することで、期待値を0.02％向上させることができます。

アーリーサレンダー（ディーラーがナチュラルかどうかを確認する前に選択可能）は、プレイヤーにとってより有利で、期待値を0.62％向上させる可能性があります。

ブラックジャックのサレンダー関するよくある質問

サレンダーはいつ選択できますか？

サレンダーはプレイヤーに2枚のカードが配られた直後、ヒットやスタンドを選択する前に選べます。

ただし、サレンダーが採用されているかどうかはカジノごとに異なりますので、事前に確認することが重要です。

レイトサレンダーとアーリーサレンダーの違いは何ですか？

レイトサレンダーは、ディーラーがナチュラル・ブラックジャックであるかを確認した後に選択できるサレンダーです。

一方、アーリーサレンダーは、ディーラーがナチュラル・ブラックジャックかどうか確認する前にサレンダーできるため、より有利です。

インシュランスとサレンダーの違いは？

インシュランスは、ディーラーのアップカードがエースの場合に、ディーラーがブラックジャックであるかどうかに対する「保険」をかけることです。

一方、サレンダーは、プレイヤーが負けを認めてゲームから降りる行動であり、賭け金の半額を返金してもらえます。

インシュランスはゲームを継続しますが、サレンダーはその場でプレイヤーが降りる選択となります。

ベーシックストラテジーとは何ですか？

ベーシックストラテジーは、ブラックジャックにおいて最も期待値が高い行動を選択するための戦略ガイドラインです。

プレイヤーの手札とディーラーのアップカードに基づき、ヒット、スタンド、ダブルダウン、スプリット、サレンダーの最適なアクションを示します。

これを利用することで、カジノのハウスエッジを最小限にすることが可能です。

ブラックジャックでサレンダーを選ぶべきタイミングは？

サレンダーを選ぶべきタイミングは、基本的にプレイヤーの負けの可能性が非常に高い状況です。

例えば、プレイヤーのハンドが「15」または「16」で、ディーラーのアップカードが「10」や「A」の場合です。

このような状況では、サレンダーを選ぶことで損失を半額に抑えることができます。

まとめ

サレンダーは、プレイヤーが配られた手札とディーラーのアップカードを見て、負ける可能性が高いと判断した場合に選択するアクションです。

サレンダーを選択すると、賭け金の半額のみが没収され、残りの半額は返金されます。このアクションをうまく活用することで、期待値を0.02％～0.62％引き上げることができ、プレイヤーにとって有利に働きます。

サレンダーを採用しているカジノは限られていますが、採用しているカジノでプレイする際には積極的に利用していくことをおすすめします。