スロット歴の長い方も、これから始める方も関係なく知っておきたいのが、近年注目を集めている「スマスロ」という新たなジャンルです。
スマスロは、パチスロと同じスロットの一種ですが、独自の特徴を持っています。
代表的な例として挙げられるのが「スマスロ北斗の拳」です。
しかし、中にはパチスロとスマスロの違いがよく分からないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、パチスロとスマスロの違いを分かりやすく解説していきます。
パチスロとは?
パチスロとは、パチンコ店に設置されているスロットマシンのことで、海外のカジノにあるスロットマシンとの大きな違いは、リールを止めるためのストップボタンが搭載されている点です。
このゲームでは、直径約25ミリ(一部では30ミリのものもあり)のメダルを投入して遊びます。
通常は1ゲームあたり3枚のメダルを使い、5ラインが有効。
特定の図柄が有効ライン上に揃うと、最大15枚のメダルが払い出される仕組みになっています。
スマスロとは?
2022年11月21日、新しいスタイルのスロットマシン「スマートパチスロ」、通称「スマスロ」がホールに登場しました。
スマスロの最大の特徴は、メダルを使わずに遊べる「メダルレス」仕様であることです。
物理的なメダルの代わりに電子情報を用いて貸し出しやプレイを行うため、従来のスロットに必要だったメダルの投入やドル箱への移し替えといった作業が不要になります。
この仕組みによって、プレイヤーは物理的な作業にかかる時間を短縮し、従来の機種よりもスムーズにゲームを楽しむことが可能になります。
また、ホール側にとってもメダルの持ち運びや洗浄といった負担がなくなるため、業務効率の向上が期待されています。
パチスロとスマスロの違い
パチスロとスマスロの違いは、単に呼び名が異なるだけではありません。
両者には明確な違いがあり、それが遊技体験や利便性に大きく影響を与えています。
ここでは、主な違いを3つに分けてご紹介します。
メダルを使用するかどうか
パチスロとスマスロの大きな違いとして、最もわかりやすいポイントは「メダルを使用するかどうか」です。
スマスロは従来のパチスロとは異なり、メダルを一切使用しません。
この仕組みについては後ほど詳しく解説します。
スロット歴が長い方であれば、4号機や5号機時代にメダルを投入して遊んだ記憶があるでしょう。
現在主流の6.5号機でも、引き続きメダルを使った遊技が可能です。
出玉性能
パチスロ6.5号機とスマスロでは、出玉性能に大きな違いがあります。
6.5号機では、差枚数2400枚の獲得または有利区間4000ゲームの消化のいずれかに達するとエンディングを迎えます。
その時点で、たとえ出玉が爆発的に増えていたとしても、ATやARTは終了となります。
一方で、スマスロも差枚数2400枚獲得でエンディングを迎える仕様については6.5号機と同様です。
しかし、最近登場した「ゲゲゲの鬼太郎 覚醒」などの機種ではエンディングが存在しません。
このため、一度出玉が爆発すると、コンプリート機能が発動するまで継続的に出玉が増え続けます。
その結果、負けている状況からでも一撃で取り返せる可能性が高く、総合的な出玉性能ではスマスロが優れているといえます。
有利区間の上限ゲーム数
先ほど少し触れましたが、パチスロ6.5号機には有利区間の上限ゲーム数が設定されており、その上限は4000ゲームと決まっています。
一方で、スマスロには有利区間の上限ゲーム数が存在しないという特徴があります。この違いにより、例えば差枚数管理型ATでは、ゲーム数の制限を気にすることなくATを楽しむことが可能です。
この仕様により、スマスロではより自由度が高いゲーム性やバラエティに富んだ仕組みが生まれやすくなっています。これが、従来のパチスロとの大きな違いの一つといえるでしょう。
なぜスマスロが誕生したのか
スマスロの誕生にはいくつかの背景や理由があります。
ここでは、誕生のきっかけとなった主な理由を3つご紹介します。
ギャンブル等依存症対策強化
スマスロは、ギャンブル等依存症対策強化の一環として、2018年2月の規則改正により開発が可能になりました。
この改正は、出玉情報を容易に確認できる遊技機の開発と導入を目的としており、射幸性(ギャンブル性)が過度に高まることを防ぎ、遊技金額や時間を適正化することが狙いです。
しかし、現状ではその本来の目的とは逆の結果が見られる場合もあります。
特に、スマスロの代表機種「革命機ヴァルヴレイヴ」では、一撃での出玉性能が注目され、射幸性が抑えられるどころかむしろ高まっているとの指摘もあります。
新型コロナの影響で衛生面の需要が高まったため
スマスロの導入が進んだ背景には、新型コロナウイルスの流行も関係しています。
2020年以降、パチンコ店は密閉空間であることや、メダルに直接触れることへの抵抗感が理由で客離れが進み、一部店舗では閉店を余儀なくされました。
スマスロはメダルを使用しない「メダルレス」仕様のため、衛生面の不安を軽減できる点が評価されました。
このように、時期的なタイミングが重なり、スマスロが注目されるきっかけとなったのです。
コロナ禍による業界不振と規制緩和への要望
コロナ禍が長引き、パチンコ業界全体が打撃を受けた結果、規制緩和が進んだこともスマスロの誕生に大きく寄与しました。
特に、6号機の初期段階(6.0や6.1号機)では出玉性能に厳しい制限があり、ユーザーからの不満が高まっていました。
さらに、販売機会を失えば開発業者やホール運営者にも大きな打撃となるため、業界全体で生き残りをかけた動きが起こりました。
この結果、スマスロがパチスロと区別される形で、内規の一部が緩和され、新たな仕様での機種開発が進むことになりました。
特に、スマスロ「北斗の拳」の誕生は、規制解釈の緩和がもたらした成果の一つです。
過去のメダル式機種では復刻できなかったコンテンツも、スマスロという新しいカテゴリでリニューアル可能となり、新たな形でユーザーのもとに登場することができました。
解釈の変更、つまり、メダル機での北斗の拳は4号機で登場したのでリニューアルという形で再デビューはできませんでしたが、スマスロならパチスロとは違うという拡大解釈のもとで誕生できたわけです。
パチスロとスマスロの遊戯方法の違い
上記でパチスロとスマスロの違いについて触れましたが、遊戯方法にも明確な違いがあります。
ここでは、パチスロとスマスロの遊戯方法の違いについて詳しくご紹介します。
パチスロは従来とほぼ同じスタイル
現在のパチスロ(6.5号機)の遊戯方法は、これまでのスタイルを引き継いでいます。
コインサンドにお金を入れることでコインが貸し出され、投入口にコインを入れて遊技を進める仕組みです。
そのため、パチスロ6.5号機では遊戯方法に大きな変化はありません。
スマスロはメダルレスでデジタル管理
スマスロの場合、コインサンドにお金を投入するところまではパチスロと同じですが、コインそのものは排出されません。
出玉の管理が完全にデジタル化されており、会員カードやICカードを利用して記録されます。
- コイン計測時は「計数」ボタンを押す。
- 最後に「返却(取り出し)」ボタンを押してカードを抜く。
このように、物理的なコインを扱わないため、遊戯がスムーズに進む一方で、出玉管理の仕方が大きく変わった点が特徴です。
ただし、コインを管理する方法以外の遊戯方法は従来のパチスロとほとんど変わりません。
休憩の仕方がより自由に
スマスロの普及に伴い、休憩や食事の方法も大きく進化しました。
従来は、店員を呼んで食事休憩を申告する必要があり、これを怠ると他の人に台を取られてしまうこともありました。
一方で、スマスロでは「セルフ休憩札」の導入が一般的になり、店員を呼ぶ必要がなく自分で休憩操作を行えるようになりました。
例えば、台の液晶画面に「食事休憩」の項目が表示されている場合、それをタップするだけで休憩が可能です。
さらに、多くのホールでは10分程度の短時間休憩と食事休憩が選べるセルフ操作が導入されており、これによりスマスロを中心としたホールの運営スタイルも効率化されています。
メダル搭載機のパチスロは減少の一途か?
サミーや三共をはじめとする大手メーカーの開発状況を見ても、スマスロの普及が進み、従来のメダル搭載型パチスロ機は減少傾向にあると考えられます。
規制緩和の影響により、スマスロの方が自由度が高く、メーカーにとって制作しやすい環境が整っているのが現状です。
スマスロが覇権を握る
例えば、スマスロ北斗の拳はその代表例です。
ほとんどのホールで稼働しており、リリースから1年以上経過してもその人気は衰えを知りません。
過去のタイアップ作品をスマスロとしてリバイバルできる点も、スマスロが注目される大きな理由の一つです。
吉宗、バジリスク絆、押忍!番長など、4号機や5号機時代に人気を博した作品がスマスロで再登場していることを考えると、緑ドンや鉄拳といった名機が復活する可能性も高いでしょう。
これにより、スマスロは過去の名作を再び脚光を浴びせる場としての役割も果たしています。
メダル搭載機が抱える課題
一方で、従来のメダルを使用する機種には、ホッパー系のエラーがつきものです。
コイン投入口の詰まりやコイン不足といったトラブルが発生すると、店員が対応に追われる上、場合によっては店長クラスが出動することもあります。
スマスロではメダルレス仕様のため、こうしたトラブルがほぼ排除され、店舗側の労力削減にも寄与します。
エラーが起こるとすれば、外的要因(例:台パン行為)によるものがほとんどであり、これも比較的管理がしやすいと言えます。
普及の障壁と業界団体の動き
しかし、すべてが順風満帆というわけではありません。
小規模なパチンコ店にとって、従来のパチスロ機からスマスロへ切り替えるには大規模な設備投資が必要です。
このコスト負担に耐えきれず、閉店や倒産を選ぶ店舗も少なくありません。
さらに、スマスロの普及を加速させる要因として、日本遊技関連事業協会や日本遊技機工業組合などの業界団体の意向も注目されています。
これらの団体がメダル搭載型パチスロの廃止を推進する方向でまとまった場合、スマスロが業界全体の標準となる未来もそう遠くないかもしれません。
まとめ:パチスロとスマスロの違い
今回は、パチスロとスマスロの違いについて詳しく解説しました。
現在のパチスロは、6.5号機のメダルを使用する機種と、メダルレス仕様のスマスロに大きく分かれています。
スマスロは従来のパチスロとは異なり、電子的に出玉を管理する仕様が特徴で、遊技の利便性が大幅に向上しています。
また、スマスロは規制緩和の影響により、過去のタイアップ作品をリバイバルすることが可能になりました。
中でも「スマスロ北斗の拳」はその代表例で、多くのホールでリリース後1年以上経った今も高稼働を維持しており、スマスロの成功モデルといえるでしょう。
これらの点を踏まえると、今後さらにスマスロが主流となり、パチスロ市場の中心的な存在となる可能性が高いと考えられます。